- 2019.04.25
- 女性の髪の毛
女性もAGA(男性型脱毛症)になるの?原因と対策を解説
男性型脱毛症と訳されるAGAは多くの男性に見られる症状です。
日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」によると、男性のうち約3割もの人がAGAを発症するとされています。
男性と比較すると割合は少ないですが、女性もAGAを発症することをご存知でしょうか?
その仕組みには、男性ホルモンと女性ホルモンが大きくかかわっています。
今回は、女性のAGAについて原因や症状、おすすめの対策などについて紹介します。女性のAGAを対策には生活習慣の改善などがカギとなっていて、他の原因による薄毛対策や健康・美容にも良い効果が得られるでしょう。
目次
1、 AGAとは?男性のAGAと女性のAGAとは違うの?
2、 女性がAGAになってしまう原因
3、 FAGAになりやすい女性とは
4、 女性のAGAにおすすめの対策
5、 まとめ
1、AGAとは?男性のAGAと女性のAGAとは違うの?
男性の薄毛の原因の大半を占めるAGA(男性型脱毛症)。
AGAがどんな原因で起こり、どのような症状がみられるかについて解説します。
AGAとは
AGAとはAndrogenetic Alopeciaの略称で、「男性型脱毛症」と訳されています。男性では思春期以降に発症し、症状が進行するといわれています。
最近、研究により様々なことが分かってきていて、AGAの治療法や有効な対処法も少しずつ登場しています。
AGAは遺伝による発祥の可能性が高いことと、発症箇所(前頭部の髪の生え際と頭頂部)に特徴があります。
AGAの原因
AGAの主な原因は、男性ホルモンの一種DHT(ジヒドロテストステロン)が薄毛の部分に対して過剰に分泌されることによって起こるといわれています。DHTが髪の成長期を短くしてしまい、ヘアサイクルを乱してしまうのです。
<ヘアサイクルとは>
髪には1本1本寿命があります。古くなった髪が抜け落ちて、また新しい髪が生えてくるサイクルのことをヘアサイクルといいます。毛髪のサイクルには以下の3つの段階があります。
成長期・・・新しく髪が生まれて太く長く育ちます
移行期(退行期)・・・休止期に移行するために、毛球が退縮します。
休止期・・・髪の製造がストップし、抜け落ちます。
通常3~6年かけてこのサイクルが一巡しますが、AGAの方の場合は半年~1年程度のサイクルとなってしまいます。髪がしっかりと成長する前に抜け落ちてしまうことで、毛髪が細くなり最終的には生えなくなってしまいます。
AGAと女性の薄毛
女性の薄毛にはさまざまな原因があります。大きなストレス、過度なダイエットによる栄養不足、間違ったヘアケアによる頭皮環境の悪化、膠原病や慢性甲状腺炎などの全身性疾患に伴う脱毛、貧血などです。そのため、女性の場合は薄毛の原因の特定が男性に比べて難しいとされていますが、女性もAGAが発症することが最近知られるようになりました。
しかし、同じAGAでも男性のものと女性のAGA(女性男性型脱毛症)は、発症のメカニズムも全く異なるものとなります。
2、女性がAGAになってしまう原因
男性型脱毛症という名前の通り、AGAは男性に多く見られる薄毛の症状です。そして、その主な原因は男性ホルモンの過剰分泌によるものです。
いったいなぜ、女性がAGAを発症してしまうのでしょうか?その原因や症状について解説します。
女性のAGA=FAGA(女性男性型脱毛症)の症状と原因
男性におけるAGAは男性ホルモンの過剰分泌が原因で起こり、髪の生え際や頭頂部に薄毛の症状がみられます。
女性のAGA(女性男性型脱毛症)については、男性のAGAほど明確になっていませんが、加齢などにより女性ホルモンが減少して男性ホルモンが優位になることによって薄毛になる、と考えられています。
しかし、FAGAの場合は男性ホルモンの過剰分泌だけでは説明がつかないことも多い、という事実もあります。特に注意したいのが、AGAの内服薬として効果が高いとされているフィナステリドやデュタステリドなどの内服薬がFAGAには効かないことです。
日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」においても、「女性に対してはこれらの内服薬を用いるべきではない」としています。
FAGAの分類
FAGAの薄毛の分類としては3つの型が知られています。
- ルードウィッグ型
FAGAの中で最も多いのがルードウィッグ型です。頭頂部から全体的に髪が細くなり、毛髪量が少なくなります。
- クリスマスツリー型
生え際から頭頂部にかけてちょうどクリスマスツリーの形のように髪が薄くなる症状です。
- ハミルトン型
男性のAGAと同様に生え際の両サイドに剃り込みが入るように髪が少なくなる症状です。
いずれも、髪が全体的に細く少なくなる傾向があり、髪がボリュームダウンしてしまう傾向があります。
参考
https://www.veriteclinic.or.jp/takumi_tanaka/5347
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf
https://www.ruan.co.jp/column/mamechishiki/faga/
3、FAGAになりやすい女性とは
FAGAになりやすい女性とはどういうタイプの女性でしょうか?
なりやすいタイプを知ることは、対策を考える際にもポイントになります。
- 更年期以降の女性
加齢によって女性ホルモン分泌量が減少すると、FAGAを発症しやすくなります。
FAGAはAGAと異なり、一気に髪が無くなることはなく緩やかに進行しますが、適切な対処を取らなければ徐々に薄毛が進行し回復が難しくなってしまいますので、早期の自覚と対処が重要だとされています。
- ホルモンバランスが乱れている女性
生活習慣の乱れはホルモンバランスの乱れを招くことがあります。
具体的には以下のような生活習慣がホルモンバランスの乱れを招きます。
- 過度なダイエットによる栄養不足
- 睡眠不足
- 強いストレス
- 食生活の乱れ
- ピルの服用
- 体の冷え
これらの生活習慣によってホルモンバランスが乱れてしまい、薄毛になってしまった場合はFAGAとなります。
ただし、境界がややあいまいな部分がありますが強いストレスによる円形脱毛症や食生活の乱れによる血行不良による薄毛など、これらの生活習慣が直接的に薄毛の原因となるケースもあります。
参照 https://ch.nicovideo.jp/nicoly/blomaga/ar1098112
4、女性のAGAにおすすめの対策
女性のAGAにおすすめの対策について紹介します。
基本的には、ホルモンバランスを整えることがFAGAの改善に良いとされているため、ホルモンバランスを改善するための対処法が中心になります。
生活習慣の改善や大豆食品の摂取などは健康や美容にとってもメリットがありますので、ぜひ積極的に進めてください。
生活習慣の改善
生活習慣の乱れはホルモンバランスの乱れを招くことがあります。
健康的な食事や十分な睡眠時間の確保、運動不足などを解消することで体調とホルモンバランスを整えるようにしましょう。
ストレスの改善
現在大きなストレスを抱えている方は、ストレス原因の改善が重要です。
職場での人間関係や仕事内容、家族間の関係、交友関係などを見直し、ストレスの元を断つようにしましょう。
大豆食品の摂取
生活習慣の乱れはホルモンバランスの乱れを招くことがあります。
大豆に含まれる大豆イソフラボンは体内で女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをするため、減少した女性ホルモンを補う働きをしてくれることが知られています。
サプリメントの摂取
サプリメントで女性ホルモンを補う方法もあります。
一般的な対処法としては、大豆イソフラボンやプラセンタ、ローヤルゼリーなど女性ホルモンに似た働きをする成分、ビタミンB6、ビタミンEなどの女性ホルモンのバランスを整える成分が配合されたサプリが使用されます。
また、女性向け薄毛対策サプリメントにもホルモンバランスを改善する作用のある成分が多く含まれたものがあります。例えば、イクモア(iqumore)にはお味噌汁4杯分の大豆イソフラボンをはじめ美しく潤いのある髪を育てる成分が合計10種類配合されています。
クリニックでの治療
薄毛に悩む女性が増えていることもあり、女性のAGAを対象とした診療を行っているクリニックや皮膚科もあります。
クリニックでは、特定の困難な薄毛の原因の明確化や医師の指導に沿った薄毛治療を受けることができます。また、医薬品である内服薬の「パントガール」などを処方してもらうこともできます。
5、まとめ
男性の薄毛原因の大半を占めるAGA(男性型薄毛)を女性が発症することもあります。
その原因はまだ解明されていませんが更年期以降に多く見られることなどから、女性ホルモンの減少に伴って男性ホルモンが優位になるためと考えられています。
女性の薄毛にはAGAの他にもさまざまな原因があり、男性と比較してAGAと特定するのも難しいという特徴があります。ですが、女性のAGAの対策法であるホルモンバランスや生活習慣の改善は、他の薄毛対策にもつながります。
男性のAGAとは異なり女性のAGAは緩やかに進行しますが、適切な対処を行わなければ回復が難しいという特徴もあります。ボリュームのある美しい髪の維持・回復に、今回おすすめした対策をぜひ参考にしてくださいね。