- 2018.10.07
- 薄毛対策
女性の病院での薄毛治療は保険適用になるの? かかる費用は?
さまざまなメディアで男性の薄毛治療を取り上げていますが、女性の薄毛について取り扱っているところは少なく、女性でも薄毛の治療を受けられることを知らない人が多いです。これから女性の薄毛の治療方法や費用、どのような病院がよいのかなどについて見ていきます。
女性の薄毛治療は保険適用になるの?
病院や専門のクリニックで薄毛の治療を受けるときに気を付けたいのが、「保険適用されるのか」という点です。女性の薄毛治療は薄毛の原因によって保険が使えるかどうかが変わってきます。
基本的には保険適用外
基本的に女性の薄毛治療には、保険が適用されることは少ないです。健康保険は風邪やアレルギー症状のように、「生活に支障をきたす病気やケガ」や、ガンなどの命の危険性があるような病気に対して適用されるものだからです。
男性同様女性の薄毛も「見た目」が気になるというだけで、放置していても健康には問題がないので美容整形と同じような扱いで保険適応されないと考えたほうがよいでしょう。
保険適用になることも
女性の薄毛でもごく一部、保険が適応される場合があります。これは薄毛の原因が皮膚疾患や、ホルモン・免疫などの異常、服用している薬の影響が原因の場合となります。
保険適用となる薄毛の原因としてあげられる病気は次のようなものです。
・粃糠性(ひこうせい)脱毛症
粃糠性脱毛症はフケと脱毛が合わさった症状で、頭皮にかゆみや赤みを伴うことが多いです。粃糠性脱毛症の原因は、はっきりと解明されていませんが、頭皮環境の改善を行うことで治療することが多いです。
・脂漏性(しろうせい)脱毛症
脂漏(しろう)性脱毛症は頭皮の皮脂が過剰に分泌されることで起こります。過剰に分泌された皮脂が原因でニキビやフケができ、かゆみや赤み、かさぶたといった症状が出ることもあり、頭皮がダメージを受けることで髪の毛が抜けていきます。
・甲状腺機能低下症(橋本病)
甲状腺機能低下症は甲状腺の機能が低下することで甲状腺ホルモンの量を調整できなくなる病気で、さまざまな身体症状が起こり、脱毛症状が出ることもあります。特に甲状腺機能低下症のひとつ「橋本病」は女性に多い病気で、新陳代謝が悪くなり、脱毛や薄毛といった症状も起こります。
・円形脱毛症
円形脱毛症はストレスが原因とよくいわれますが、「自己免疫疾患」で起こっている場合は皮膚科の診療では保険適応となります。
このような病気が原因の場合は病気を治療するために保険適用となります。 この他にも該当すると思われる病気はあるので、薄毛が気になっているのであれば薄毛治療を行っている皮膚科やクリニックを受診し原因を調べてみることをおすすめします。
保険適用外の薄毛だったときの治療法
保険適用外の薄毛の場合は主に3つの治療法があります。
内服薬もしくは外用薬を使用しながら薄毛を治療
男性の薄毛治療と同じで、女性の薄毛治療の場合も一般的には外用薬や内服薬を用いた治療法が主流となっています。ただし女性の場合は男性と薬が若干異なり、次のような薬を使用することが多いです。
・パントガール
パントガールは女性専用の内服タイプの薬で、ドイツで開発された薬です。髪の毛の原料になるタンパク質や髪の毛・頭皮の状態を改善し正常に保つことで薄毛を改善していきますが、副作用があるので必ず医師の指示に従って服用しなければなりません。
・パントスチン
パントスチンは薄毛に有効といわれている「アルファトラジオール」という成分が、DHT(ジヒドロテストステロン)の働きを抑制し、毛根を守ることで抜け毛を予防する薬です。
・ミノキシジル
ミノキシジルは厚生労働省が効果を認めている成分です。直接毛包に働きかけることで髪の毛の成長を促し薄毛を改善しますが、副作用が強いため使用する際は医師の指示に従いましょう。
・サプリメントや漢方薬
サプリメントや漢方は治療のメインというわけでなく、サポート的な役割で処方されます。アミノ酸やビタミン、ミネラルといった栄養分のサプリや、血行促進などを目的とした漢方を処方されることが多いです。
皮膚科では薬を使用した治療となることが多いですが、薄毛専門クリニックでは投薬と他の治療法を組み合わせることが多いです。
育毛メソセラピー
育毛メソセラピーは、薄毛部分に育毛に必要な栄養分や治療薬などを注射し、症状の改善をする治療法です。注射する成分は一人ひとりの症状を見て配合成分を決めるため薄毛改善効果が高い治療法ですが、内服薬と併用することが多いので、ごくまれに副作用が出ることもあります。
注射するといっても痛みは少しチクチクする程度で、ほとんどないといってよいレベルです。クリニックによっては炭酸ガスなどで頭皮に薬を塗布するだけの場合もあり、施術時間は30分以内、ベッドで横になった状態で施術します。
治療費に関しては病院やクリニックによって異なり、1回の治療で5万円~10万円以上かかるところもあります。1回で終わる治療ではなく、継続して治療する必要があるため治療費が高額になりますが、医療費控除に該当するので育毛メソセラピーを受けたときは確定申告で医療費控除を行うことをおすすめします。
植毛
植毛は薄毛部分に人工の髪の毛や健康な部分から採取した自分の髪の毛を移植する治療法です。男性の薄毛治療でも行われていますが、最終手段で用いられることが多いです。
内服薬や外用薬を手に入れるには
薄毛治療用の内服薬や外用薬は国内で販売されているものが少ないため、海外から輸入する人がいますが、副作用が出ることもあるのできちんと医師の診断を受けて処方してもらったほうが安全です。処方してもらう場合には薄毛治療を行っている皮膚科か専門クリニックを受診しましょう。
薄毛治療を行っている皮膚科を受診
頭皮の問題だからと皮膚科に行く人がいますが、皮膚科はさまざまな病気の治療を行っているため「薄毛専門」ではありません。薄毛の治療の場合は「薄毛専門の皮膚科」に行くことをおすすめします。薄毛専門の皮膚科なら個人の症状にあった治療法を提案し、治療に有効な薬を処方してくれるからです。しかし抜け毛の原因が加齢や産後のものなど、原因によっては処方してもらえないことがあります。
薄毛専門クリニックを受診
薄毛専門クリニックでは薄毛専門の皮膚科では処方してもらえない、次のようなものが原因の薄毛に対しても治療薬を処方してもらえることが多いです。
・加齢
・生活習慣やストレス
・間違った頭皮ケア
・遺伝
・産後の抜け毛
薄毛専門クリニックはいろいろな原因の薄毛に対応してくれるので、原因がわからない場合などは無料カウンセリングで相談して原因を突き止め、薬を処方してもらうという方法もあります。
治療費の目安
女性の薄毛の治療費は、皮膚科と薄毛専門クリニックで異なります。もちろん皮膚科といっても病院によって診療料金が変わってきますが、一般的に皮膚科のほうが費用は安くすみます。その理由は皮膚科の場合、診察という形での治療になるためです。
・皮膚科での治療費:薬代と診察費で1万円~3万円程度。
・薄毛専門クリニック:3万円以上かかることが多く、植毛などを行う場合は20万円~100万円以上かかることもある。
薄毛専門クリニックによっては、HPで治療費を提示してあるところもあるので、事前に治療費を調べておくのも大切なことです。
保険適用外でも、費用には選択肢の余地も
女性の薄毛治療は基本的には保険適応外ですが、薄毛の原因が病気や薬の副作用の場合は保険が適用されることもあります。女性の薄毛治療は薄毛専門の皮膚科や薄毛専門クリニックで行っていますが、治療法は投薬や育毛メソセラピー・植毛などさまざまな方法があります。皮膚科は診察と投薬の治療がメインなので費用は安くすみますが、薄毛の原因によっては薬などを処方してもらえないことがあります。薄毛専門クリニックでは皮膚科で対応してくれない原因の薄毛も対応可能ですが、料金は皮膚科よりも高くなることが多いです。
保険が適用される薄毛の治療の場合でも病院や治療方法によって費用が変わってくるので、事前に病院に問い合わせるか、クリニックのHPで費用を調べる・無料カウンセリングを受けるなどして自分の納得のいく治療と費用の病院を探すことをおすすめします。