- 2019.01.24
- 抜け毛
つむじはげを改善する方法|頭頂部や分け目が薄くなる原因と対策
薄毛といえば男性の悩みと思われがちですが、実は男女ともに多くの人が悩んでいる問題なのです。最近では、特につむじはげに悩む40代以降の女性が増えています。
薄毛を改善するには生活習慣の改善が必要とよく言われますが、それだけでは薄毛を治すことはできないと思っている人は多いものです。
しかし、きちんと継続的に対策をとることで薄毛を改善できる可能性は高まります。
薄毛対策を行うならば、女性の薄毛を引き起こす原因を知っていないと正しい改善方法を行うことができません。
今回は、女性の薄毛を引き起こす原因とつむじはげの改善方法についてご紹介します。
つむじはげは改善できる
つむじはげは、生活習慣の見直しで改善することが可能です。
これまで、さまざまな方法を試してきたのに改善されてなかったという方は、以下のいずれかが原因となっていることが考えられます。
<つむじはげが改善しない理由>
- 遺伝が原因の薄毛である
- 継続した対策を1年(最低)以上行っていない
- 薄毛や対策方法の知識が不足している、または間違っている
つむじはげの原因
つむじはげを引き起こす原因として、主に以下の3つが考えられます。
<つむじはげの主な原因>
- 毛髪を作る栄養が不足している
- 女性ホルモンのバランスが乱れている
- 遺伝的要因による
「毛髪を作る栄養の不足」と「女性ホルモンバランスの乱れ」による薄毛については、生活習慣の改善を行うことである程度の改善が期待できます。
逆に、現在つむじはげになっていなくても、上述した2つに問題がある場合は将来的に薄毛になる可能性がありますので注意が必要です。
「遺伝的要因」は生活習慣の改善で治る可能性はほぼないので、育毛剤や薬などで対策していきましょう。
毛髪を作る栄養の不足
皮膚と同じように、毛髪の生成にもなくてはならない必要な栄養素があります。栄養不足は、そもそも毛髪を生成できない状態を作ってしまっています。
また、コレステロールの摂り過ぎは血液の循環を悪くし、頭皮まで栄養が届きづらくなります。頭頂部には特に栄養が届きづらいです。
そして、毛髪には、1本の髪の毛が生
え始めて成長し抜け落ちるまでの周期である“ヘアサイクル”があります。栄養不足になるとこのヘアサイクルが乱れてしまいます。
画像参照元:花王株式会社 ヘアケアサイト 薄毛になるメカニズム 髪の成長とヘアサイクル
女性ホルモンバランスの乱れ
女性ホルモンには以下の2種類のものがあります。
<女性ホルモンの種類>
- エストロゲン
- プロゲステロン
<エストロゲンの役割>
- 自律神経に作用し、乱れを調整する
- 丸みを帯びた女性らしい体を作る
- 肌や髪にハリや潤いを与える
- 骨の形成を促進し、密度を保つ
<プロゲステロンの役割>
- 基礎体温を上昇させる
- 妊娠の成立および継続を助ける
- 乳腺を増殖させ発達させる
- 体内の水分や栄養を保つ
エストロゲンは「美人ホルモン」とも呼ばれます。女性らしい体を作るためのホルモンで、肌や髪を形成するだけでなく、乱れた自律神経を整える働きも担っています。
プロゲステロンは基礎体温を上昇させ、体内に栄養分や水分を保つ働きをします。
このうち、女性の薄毛に大きく関連するのは「エストロゲン」です。女性は出産後に抜け毛が増えて薄毛になりやすいのですが、その原因は、女性ホルモンのバランスが大きく乱れるためです。
また、女性は50歳前後で閉経する方が多く、閉経をはさんだ10年間を更年期といいます。この更年期にエストロゲンが減少して、FAGA(女性男性型脱毛症)を発症することもあります。
<FAGA(女性男性型脱毛症)とは>
FAGA(女性男性型脱毛症)とは、女性の薄毛の総称を指す言葉です。1964年ごろから研究が始まったとされており、当初は男性のAGA(男性型脱毛症)と同じものだと考えられていました。そのため、AGAに英語で女性を意味する「Female」の頭文字をつけた、FAGAと呼ばれてきました。しかし研究が進むにつれて、AGAとは症状や原因が異なることがわかってきたため、現在では「FPHL(Female Pattern Hair Loss)」とも呼ばれています。
引用元:AGAヘアクリニック
画像引用元:&Hair
参考:https://www.otsuka-plus1.com/shop/pages/story_equ_fhormone.aspx
女性の薄毛の中で、全体的に少しずつ薄くなる薄毛を“びまん性脱毛症”と呼びます。女性の薄毛は「つむじから全体に広がる薄毛」の傾向があり、つむじはげになりやすいのです。
遺伝的要因
男性型脱毛症(AGA)の遺伝因子を父親と母親の両方から受け継いだ場合に限り、女性の薄毛の可能性が高まるといわれています。遺伝性の薄毛は早ければ20代のうちから発症することもあります。
遺伝性の場合は、もともと毛包(毛が育成される器官)が小さく、毛髪の成長期が短くなるために毛が成長しにくくなり、生活習慣の改善ではなく育毛剤や薬での改善が必要となってきます。
つむじはげを改善する方法
つむじはげを改善する方法には、以下の3つのものが考えられます。
<つむじはげを改善する方法>
- 薄毛の改善効果がある食品を摂取する
- 自律神経を整えて、ホルモンバランスの乱れを抑える
- 育毛剤で治療する
つむじはげ改善におすすめの食べ物
頭頂部の栄養不足を補うためには、毛髪の生成を助ける栄養素を食事で摂ることが大切です。
<毛髪の生成に関わる栄養素>
- オメガ3脂肪酸
- オメガ6脂肪酸
- 亜鉛
- ビタミンB2
- アミノ酸
オメガ3脂肪酸を多く含む食べ物
オメガ3脂肪酸は体内では生成されないので食事で補う必要があります。オメガ3脂肪酸は血液中のコレステロールバランスを整える作用を持っているため、頭皮に栄養素を行き渡らせるために必要となってきます。
<オメガ3脂肪酸を多く含む食べ物>
- えごま油(58g/100g)
- 亜麻仁油(57g/100g)
- アンコウの肝(5.9g/100g)
- サバ(5.3g/100g)
- うなぎ(5.0g/100g)
オメガ3脂肪酸の1日の推奨摂取量は、成人女性で1.1gといわれています。
オメガ6脂肪酸を多く含む食べ物
オメガ6脂肪酸も体内では生成されないので食事から摂る必要があります。オメガ6脂肪酸は、悪玉コレステロール値を下げる働きを持っているので、オメガ3脂肪酸と同じく頭頂部に栄養素を届きやすくするために必要となってきます。
ただし、オメガ6脂肪酸の摂り過ぎは逆効果となるため、オメガ3脂肪酸とのバランスが重要です。
1(オメガ3):4(オメガ6)が理想なのですが、現代人の食生活では、1(オメガ3):10(オメガ6)の比率になりやすいともいわれています。
<オメガ6脂肪酸を多く含む食べ物>
- ベニバナ油(69.97/100g)
- グレープシードオイル(63.10g/100g)
- ひまわり油(57.51g/100g)
- コーン油(50.82/100g g)
- ゴマ油(42.88/100g)
オメガ6脂肪酸の1日の推奨摂取量は、19~50歳の女性で12g、51歳以上の女性で11gといわれています。
亜鉛やビタミンB12多く含む食べ物
オメガ脂肪酸は血液循環を良くして、毛髪を生成する栄養素が頭頂部に届きやすくなるので髪にとって必要な成分でしたが、以下の3つの成分は、毛髪そのものを作るために必要な栄養素です。
-
- 亜鉛
蛋白質を合成するのに欠かせないミネラル栄養素の1つです。亜鉛が不足すると髪が生成されづらくなります。
-
- ビタミンB12
毛細血管を強くする作用があり、頭皮の環境を改善する効果が期待できます。
-
- アミノ酸
アミノ酸が不足すると、ケラチンという蛋白質の生成が不足し、ハリやコシのない細い髪の毛になってしまい、薄毛や抜け毛の原因になってしまう可能性があります。
自律神経を整えてホルモンバランスの乱れを改善
ストレスなどによって自律神経が乱れると頭皮の血行不良を引き起こしてしまうことがあります。それがつむじはげのような局部的な脱毛につながってしまうのです。
また、女性特有の身体つきを形成する役割をもつ女性ホルモンのバランスが乱れると、女性が少なからず有している体内の男性ホルモンが優勢になってしまうことがあります。その結果、女性男性型脱毛症(FAGA)を発症する可能性が出てきます。
ストレスを減らす
成長しなくなった段階である休止期にあたる毛髪の割合は一般的に毛髪全体の10~20%といわれていますが、この割合がストレスによって増えてしまうことがあります。このため、毛髪の成長が止まりやすくなってしまうのです。
慢性的なストレスによって女性ホルモンのバランスが乱れることでも、女性男性型脱毛症によるつむじはげを引き起こしやすくなってしまいます。
<ストレスの解消方法>
- ジョギングなどの有酸素運動を週2回、1回2時間程度おこなう
- 下腹部に手を置き、2~3回に分けて鼻からゆっくり深く息を吸い込んだのち口から吐き出す深呼吸を行う
- 38℃~40℃のお風呂に20分ほどゆっくり浸かる
- 好きな音楽などを聴きながらリラックスし、15分ほどぼーっとする
- 数分~数十分ほどのヨガやストレッチなどをする
ダイエットを控える
急激な体重の変化は女性ホルモンのバランスを乱してしまいます。
中でも特に食事制限は、不足しやすいアミノ酸だけでなく、ビタミンB群や亜鉛など髪を生成するために必要な栄養素が不足しやすくなるので避けましょう。
栄養素が不足すると、もともと栄養素の届きづらい頭頂部が栄養不足に陥ってしまいます。食事制限だけでなく運動も合わせたダイエットを行っている場合は、さらに栄養素が失われるので、髪の成長が止まってしまいます。
どうしても食事制限ダイエットを行いたい方には髪の生成に必要な栄養素をサプリメントで摂取する方法もあります。
ただ、サプリメントでの摂取は補充程度ですので、十分な栄養は摂れないことも多くなります。できる限り食事制限はおこなわないようにすることをおすすめします。
<サプリメントで補充したい栄養素>
- シトルリン
- リジン
- アルギニン
- メチオニン
- たんぱく質
- 亜鉛
- ビタミンB2
- ビタミンB6
- ビタミンB12
- ビタミンC
- ビタミンA
- ビタミンE
冷え性の対策をする
冷え性は女性に多く見られますが、頭皮にも冷え性があります。運動不足などによって筋肉量が減少すると血液の流れが身体の細部まで行き届かなくなり、頭頂部の冷え性の原因になってしまいます。
<冷え性を改善する方法>
- 有酸素運動(ヨガやウォーキング)
- 帽子を被る
- 頭皮のマッサージをおこなう
- 温めたタオルなどで頭皮を温める
つむじはげの改善には育毛剤が効果的
女性ホルモンのバランスが乱れる、あるいは加齢によって女性ホルモンが減少すると、FAGA(女性男性型脱毛症)の発症につながってしまいます。
FAGA発症の仕組みは下図のようになっています。
男性ホルモンが優位になった場合は、女性でも男性と同様に薄毛につながることがあります。
画像引用元:HAIRS
他の手段に比べて高い育毛効果が期待できる
育毛剤の薄毛改善効果には、以下の3つがあげられます。
<育毛剤の薄毛改善効果>
- 毛母細胞(毛を作る細胞)を活性化させる
- 頭皮の血行を良くする
- 頭皮環境を整える
育毛剤は脱毛因子(TGF-β)自体の発生を防ぐ働きをするため、生活習慣の改善による効果に比べると直接的な効果が期待できます。
また、育毛剤には毛乳頭細胞を活性化させ、細胞分裂を促進することで発毛を促す働きがあります。さらに育毛剤には殺菌成分も含まれるため、頭皮を清潔に保つことができます。
つむじはげの改善におすすめの育毛剤
つむじはげの改善には、以下2つの成分が配合されている育毛剤がおすすめです。
<つむじはげの改善に効果的な成分>
- スピロノラクトン
育毛剤の成分の中には男性のAGA治療に用いられる「フィナステリド」と「デュスタリド」がありますが、これらは胎児の生殖器へ悪影響が出ることがありますので、特に妊娠する可能性がある女性は、これらの成分の入った育毛剤を使用しないようにしてください。
ミノキシジルが含まれる育毛剤
ミノキシジルには血管を拡張する作用が働くことで、頭頂部まで栄養素が届きやすくなる効果があります。また、発毛のシグナルを発信する毛母細胞に直接働きかけて細胞分裂を活性化させることで、発毛を促進する効果もあります。
ミノキシジルが配合されているおすすめの育毛法。
リアップリジェンヌ
画像引用元:https://brand.taisho.co.jp/riup/regenne/product/
リアップリジェンヌには、すでに90カ国で使われている有効成分ミノキシジルが配合されています。さらに、トコフェロール酢酸エステル、l-メントール、パントテニールエチルエーテルといった3つの成分が配合され、頭皮を清潔に保ち、健やかに美しく育むためなどに働きかけてくれます。
壮年性脱毛症における発毛や育毛に効果が期待できます。また、抜け毛の進行も予防してくれる育毛剤です。
- 価格:5,239円
- 容量:60mL
外部サイトで購入する
スピロノラクトンが含まれる育毛剤
スピロノラクトンは、男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)と受容体との結びつきを防ぐ働きを持ちます。ジヒドロテストステロンと受容体との結びつきを防ぐことで、脱毛因子を抑制する作用があり、薄毛の進行予防の効果が期待できます。
スピロノラクトンが配合されているおすすめの育毛剤をご紹介します。
アルダクトンA錠25mg
画像引用元:https://www.triple-farm.com/sg/item/detail?item_prefix=TF&item_code=001410&item_branch=001
もともと高血圧や心性浮腫の薬として利用されていた内服薬ですが、薄毛の改善に効果があることが発見され、薄毛に悩む女性の治療に利用されるようになりました。ただ、内服薬ということもあり副作用もあるので、通販サイトで購入することはできますが、利用するときには、医師に相談してからにしましょう。
- 価格:6,180円
- 容量:10錠×10シート
つむじはげが改善するまでの期間
1本の髪の毛が発毛してから自然に抜け落ちるまでのヘアサイクルは、4~6年といわれています。
そのため、生活習慣の見直しによる薄毛対策では効果が見え始めるのは新しい髪が成長期に入るであろう1年後くらいになり、数ヶ月で効果が見えることはめったにないので、薄毛対策は少なくとも1年間は継続して取り組むことをおすすめします。
スタイリングでつむじはげを隠す
つむじはげを短期間で治すことは難しいので、生活習慣の改善や育毛剤などを利用した薄毛対策や、スタイリングやカットで薄毛を目立たなくする工夫をすることもおすすめします。
カットで目立たなくする方法と、ドライヤーやアイロンによるスタイリングで目立たなくする方法の2つがあります。
まとめ
つむじはげの改善は、生活習慣の見直しと育毛剤による直接的な対策の2つが主になります。
どちらか一方の対策だけでは十分ではなく、生活習慣の改善によって毛髪の生成を促しつつ、育毛剤で脱毛因子の発生を防ぐという両方の対策ができることがベストです。
つむじはげの原因は人によってそれぞれ異なるますので、生活習慣の乱れがちな人は食生活の改善を、ストレスを貯めやすい方はストレスの軽減から始めてみるとよいでしょう。